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「あれ、凛シャンプー変えたの?いつもと匂いが違うね」
登校してすぐにりおちゃんにそう言われたけど、シャンプーもボディーソープも変えてない。
「え?じゃあ、柔軟剤の匂いかな?甘いようなすごくいい香りがする」
鼻をひくひくするりおちゃんの背中をパチンと叩く。
「やだなあ、わたし何にもつけてないよぉ」
自分でも制服の香りを嗅いでみる。
銀色狼のいい香りでも移ったのかな?
彼も日だまりの匂いがしてたっけ。
今ごろはわたしの部屋から出ていっただろうな。
人の言葉をしゃべるオオカミって捕まらなきゃいいけど。
「凛、おまえなんか甘い匂いがするぞ」
「え?そんなに?」
教室に入って机にカバンを置くと、後ろの席の勇気くんから背中をつつかれた。
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