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「んん? ああ……」
「白いおこめです。
カレーライスにしますか?」
「ああ、いいねそれ。
とてもいい。それをくれ。
君はいい奥さんになるよ」
「い、いやいや……」
彼は目を見開いたまま、私をジッと見詰めてそう言った。
すごい。また会話ができた。
ライスの有無を聞いただけでこんな褒められ方をされるなんて思ってもみなかったから少しオドオドしながら、炊飯器に残っているご飯を何杯かよそい、レトルトのルーをかけて電子レンジの中へ投入。
ヴー……と言うレンジが動く音を聞きながら、無表情で煙草を吸っているマサヒトさんを見る。
虚ろな瞳。お酒で濡れた唇。薄白い煙。とてもサマになっていて、うっかり見とれてしまう。
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