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ロック色の強いバンドポスターに混じる、カレーライスの大きな写真に少し面食らいながら、どんな人なんだろう、と思いを巡らせる。
実はまだ息子さんたちとは一度もお会いしてないから、今日が初対面。ドキドキしてしまう。
金髪の不良っぽい怖そうな人だったらどうしよう?
気の良さそうな人がいいな。
なんて一人で悶々としてる。
なんてボーッとしている間に、もう夕方だ。
今は父も母もいない。
あまり自信はないけど、夕飯の支度をしにキッチンへ向かう。
みんな何が好きなのかな。
取り敢えず冷蔵庫の中にあるものを適当に選んでいると、ガチャリとドアの開いた音がした。
「……ッ」
ふと後ろを振り向くと、西洋人ばりの端正な顔立ちの男性が、一人。
長い黒髪が白く曇った眼鏡を覆っている。
鎖骨の近くまであるボサボサの髪の毛から、透明の雫が滴り落ちている。
……え?
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