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彼は私をじっくりと険しい表情で眺めた後、ゆっくり口を開いて、低いトーンで一言発した。
「……カレー」
私の聞き間違いでなければ、まさにその一言だった。
「え? か、カレー?」
「カレー、だよ。
うん。やっぱり」
私の目をじっと見たまま、煙を吐きながらそう言う彼。
私、唖然。
「カレー……カレーだね。
カレーライスなんだよ、なんと言っても。カレー。
カレーだよ、うん。カレーだな」
そうブツブツと独語を吐きながら、マサヒトさんは自分の部屋へ帰っていってしまった。
なんだったんだ、今の……。
今日の夕飯はカレーがよかったのかな……。
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