第一話【カレーライス】

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 キヨフミには無闇に近付くな、と父からもお母さんからも、同じことを言われた。  それは多分、彼が長らく外出しない人で、その上で心が傷付きやすい人だから、そう言われたんだろう。  彼にも色んな事情があるんだろう。私が“高校生”だった頃、ひたすら部屋から一歩も出なかった。  だからこそ、彼のデリケートなところには、あんまり触れないようにしたい。  けれど……。 「……」  カレー攻撃をかまして部屋に戻っていったマサヒトさん。  私が部屋に戻れば、多分まだ彼はそこにいるだろう。  彼と談笑したり、一緒にご飯を食べられる自信の無い私は、リビングの食卓で、一人で黙々と夕飯を食べた。
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