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キヨフミには無闇に近付くな、と父からもお母さんからも、同じことを言われた。
それは多分、彼が長らく外出しない人で、その上で心が傷付きやすい人だから、そう言われたんだろう。
彼にも色んな事情があるんだろう。私が“高校生”だった頃、ひたすら部屋から一歩も出なかった。
だからこそ、彼のデリケートなところには、あんまり触れないようにしたい。
けれど……。
「……」
カレー攻撃をかまして部屋に戻っていったマサヒトさん。
私が部屋に戻れば、多分まだ彼はそこにいるだろう。
彼と談笑したり、一緒にご飯を食べられる自信の無い私は、リビングの食卓で、一人で黙々と夕飯を食べた。
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