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第5章
☆気になる君☆
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梅雨入りし、少しずつ私の髪は伸び、女子力もアップしていた。
かな…。
ある日下駄箱に1枚の手紙があった。
~高梨 詩様~
好きです。
たったこれだけ。
送り主の名前も無い。
私は驚きと恥かしさに顔が赤くなるのが分かった。
誰からだろう…。
教室の窓側に座ると、窓から雨の降る外をぼんやり眺めた。
葵君に会わない為、朝早く登校するのが日課となっていた。
ガラガラ…。
教室の扉が開く音がした。
まだ、誰かが登校するには早い。
そこには、同じクラスメートの松田翔太君がいた。
「おはよう。」
私を見つけると、私の隣に座った。
「高梨って、最近キレイになったね。見違えたよ。目立たない感じだったのに、今じゃぁ、噂の美女だよ。」
いになりそんな事を言われて、恥かしくなって俯いた。
松田君の長い指が、私の横髪に触れた。
びっくりして顏をあげると、
「好きです。俺と付き合って下さい。」
透き通る瞳が真っ直ぐ私を見ていた。
「考えておいてね。」
彼はそう言って、1番前の自分の席へ戻った。
クラスメートがどんどん登校する中、私は松田君からの告白を戸惑いを隠せなかった。
窓から見える紺色の傘…。
きっと葵君だ…。
顏は見えないけど、きっとそう。
何時も時間に、何時もの傘…。
葵君に会いたい…。
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