第7章

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☆傷付いた心☆ 図書室から教室へ向かう途中、俺の頭の中には、2人が肩を寄せ合い歩く後ろ姿が浮かび、離れなかった…。 もう、やめよう。 詩ちゃんにやっと近づけたと思った…。 でも、もう彼女は他の奴の…。 ------------ --------------- その時、女の悲鳴が聞こえた。 俺は、目を疑った…。 詩ちゃん…。 「詩?」 床に倒れ、泣き叫び、助けを求めていた…。 さっきの男に乱暴され、服が乱れ…。 俺は気がつくと、男を殴り彼女から引き離し、彼女に自分の上着をかけた。 「いってぇ…。お前、今からが良い所なのに、邪魔しやがって。」 俺は震える彼女を抱きしめ 「そう思ってるのはお前だけだ。」 冷酷に睨みつけた。 「お前が、成績優秀、スポーツ万能の葵 春人か。その美貌で女なんかすぐに手に入るだろ。嫌みな奴。王子様気取りか。」 俺を睨みつけた。 ダメだ。このままでは俺はこいつを…。 ギュッと歯を食いしばり、怒りで震える拳を抑え、冷静を装い、 「悪いな。王子様のお出ましだ。」 そう言って、彼女を抱きかかえ、教室を後にした。 ------------ --------------- 抱きかかえた、詩は小さくて、弱くて、潰れてしまいそうで…。 もうすぐ、みんなが登校してくる。 俺は、人目を避け裏門からある場所へ向かった。
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