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☆傷付いた心☆
図書室から教室へ向かう途中、俺の頭の中には、2人が肩を寄せ合い歩く後ろ姿が浮かび、離れなかった…。
もう、やめよう。
詩ちゃんにやっと近づけたと思った…。
でも、もう彼女は他の奴の…。
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その時、女の悲鳴が聞こえた。
俺は、目を疑った…。
詩ちゃん…。
「詩?」
床に倒れ、泣き叫び、助けを求めていた…。
さっきの男に乱暴され、服が乱れ…。
俺は気がつくと、男を殴り彼女から引き離し、彼女に自分の上着をかけた。
「いってぇ…。お前、今からが良い所なのに、邪魔しやがって。」
俺は震える彼女を抱きしめ
「そう思ってるのはお前だけだ。」
冷酷に睨みつけた。
「お前が、成績優秀、スポーツ万能の葵 春人か。その美貌で女なんかすぐに手に入るだろ。嫌みな奴。王子様気取りか。」
俺を睨みつけた。
ダメだ。このままでは俺はこいつを…。
ギュッと歯を食いしばり、怒りで震える拳を抑え、冷静を装い、
「悪いな。王子様のお出ましだ。」
そう言って、彼女を抱きかかえ、教室を後にした。
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抱きかかえた、詩は小さくて、弱くて、潰れてしまいそうで…。
もうすぐ、みんなが登校してくる。
俺は、人目を避け裏門からある場所へ向かった。
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