第2章

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------------ --------------- 休み時間。 「詩、初日から遅刻はヤバイでしょ。先生に目付けられるよ。」 真知子がケラケラ笑って言う。 「だって…すっきり起きたのに、寝坊してたなんて(苦笑)。」 下駄箱での事は、恥ずかしくって言えない。 「ねぇ、入学式の日に学生代表で挨拶したA組の葵 春人って覚えてる?イケメンで早速、有名人なんだよ?見に行こうよ?」 真知子は芸能人にでも会えるかのように、ウキウキして話していた。 私は急に胸がドキドキした。 「ね?行こう(笑)。」 真知子に腕を引っ張られ、A組の前に連れて行かれた。 真知子、ミーハー過ぎるよ。イケメン彼氏が泣いちゃうよって、こころの中で呟く。 何これ?びっくりするほどの人混み。女の子達がキャーキャー騒いで彼を見ている。 男女問わず、クラスの中心で楽しそうに笑っている彼の横顏に、胸が熱くなった。 「かっこいい~。きゃぁ~今笑ったよ。可愛いぃ~。」 「葵君って、入試はトップ。運動神経抜群、中学では水泳で全国大会優勝。そして、何よりあの爽やかイケメン。彼女になりたぁ~い。」 なんて声が聞こえてきた。 葵 春人君…かぁ。絵に描いたような彼…でも意地悪な嫌な奴…。 そんな事を考えながら彼を見ていると、彼と目が合った。 ような…。 ドキンッと胸が高鳴った。 「キャ~、私今春人君と目が合ったよ~。どうしよ~。」 私の隣には髪の長い可愛らしい女の子が嬉しそうに言った。 あ、そうだよね。私なんか見るわけないか(苦笑)。 胸がズキンッて痛い。 「真知子、教室帰ろう。2限目始まるよ。流石に次は遅刻したくないよ。」 「ぶっ(笑)それもそうだね。帰ろっか。それにしても葵君、本当に人気あるね。こりゃぁ、倍率高そう(笑)」 まだ興奮気味の真知子は私のせなかをバシッと叩いた。 「トイレに寄って来るね。」 手を洗って、ポケットからハンカチをだす。 これ、葵君のハンカチ…。どうやって返そうかな…。 トイレの鏡に映るショートカットの男の子みたいな私…。 溜め息がこぼれる…。 「髪…伸ばそうかな。」 ふぅ~っと溜め息をついて、教室に戻った。
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