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第3章
☆優しい微笑み☆
授業中も、休憩時間も葵君の笑った横顏を思い出しては暖かい気持ちになっていた。
「なにをニンマリしているのかな?もしかして、葵君にほれちゃった?でも倍率高いよ(笑)。」
真知子の鋭いツッコミにドキッと我に返る。
「ちっ、違うよう。今日の夕飯の事を考えてたの?」
嘘バレバレ…。
「本当に詩は花より団子だね。」
…。
バレなかった(苦笑)。ふぅぅ~(汗)。
「詩ぁ~。もっと自信もちなよ。詩はめちゃくちゃ可愛いいんだか?」
私の背中をバシッと叩いた。
あれ?やっぱりバレてるのかな?
真知子は、それ以上は何も聞かなかった。
私も何も言わなかった。
真知子の気持ちが私には良くわかる。
真知子の優しさが…。きっと私の気持ちを大切にしてくれてるんだね。
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放課後のチャイムが夕焼けの空に響く。
ゆっくりと桜並木を歩いて帰る。
桜の花びらがヒラヒラと空を舞う。
途中のベンチに腰をかけて、ゆっくりもたれて、空を見上げる。
あ~気持ち良い。
風が夕陽が心地良い。
いつの間にやら眠ってしまった。
口も空いたまま…。
「おい。」
なんか心地良い声…。
わたしの王子様なの?
「おいっ?雨子?」
「はへっ?」
ングッ?苦しい…。
ドカッ?
ベンチから派手に落ちた。
「痛い~(泣)。」
「大丈夫?」
心配そうに私の顏を覗き込む葵君がいた。
私の体を簡単に引き上げ、ベンチに座らせる。
「大き口あけて寝てるから、桜の花びら喰ってたよ。」
えぇぇ~(汗)どおりで口の中が苦いはずっ?
って、恥かしい。
「いつからいたの?。」
恐る恐る聞いてみた。
「ずっと。」
え?これって軽く嫌がらせ?面白がってたの?
「雨子、気持ち良さそうだったから、起こさなかったんだ。だから俺も隣で今日の復習してたんだ。
でもいつ迄たっても起きないから。」
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