くらやみせかい。

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 「ふぁ…」 男は大きく伸びをした。 上質な寝台に窓から朝日が差し込む。 此処は魔王城。 この世界の真ん中、高い山に囲まれた神聖だとも邪悪だとも言われる場所だ。 嘗ては王国が栄えたが魔物の出現により一番最初に狙われた国でもあった。 其れも、この国から魔物を倒す絶対的な光の存在"勇者"が生まれるという預言があったからに他ならない。 けれどそれも数千年も前の話。 結局王国は滅ぼされ、生存者が存在しなかったために勇者は現れず、魔王は今も存在し続ける。 そんな中各国はこぞって兵をあげ、強力な戦闘力を持つものを集い、魔物の駆逐に当たった。 そんな中に交じって存在するのが、少しながらの神聖な力をもって生まれる"勇者"である。 その素質は様々で、雷魔法を使えるもの、聖剣などの他人には使えぬ武器を装備できるものなどである。 男は神聖な武器を装備することが出来、尚且つ雷魔法を使うことが出来る為、勇者として国を旅立った。 そして、彼はこの城で暮らす事にしたのだ。
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