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男は世間一般的に言えば"勇者"という存在だった。
幼い頃から突出した剣術の腕を誇り、国一番の将軍でさえ倒してしまった。
男は剣術は得意だが魔法は得意ではなかった。
殆どの人はそれほど魔力を持たず、使えない人の方が多い。
男は魔法こそ使えるものの細かい制御ができずに大味なものになってしまい、周りに対する被害、自分に対する跳ね返りが大きいため、得意ではなかった。
其れゆえに剣術を磨き、大味ではあるが大規模戦闘の時は魔法を使ってきた。
その心配も、今回はない。
何故ならばここにいるのは男の敵ばかり。
誰も守るべき人は傷つかない。
男は決意も新たに扉を押し開いた。
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