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「…え…」
その瞬間男の目の前から凶悪な攻撃魔法が消失した。
あれだけの強力な魔法を破棄できるなんて恐ろしいほどの魔法の才能だ。
あっけにとられている男をしり目に魔王は背を向けて落ちていた短剣をとった。
「戦う意思のないものを私は手に掛けるつもりはない」
「不用意に私に背を向けてもいいのですか」
「お前に私は殺せないよ。
これからどのような身の振り方をするのかはお前次第だ」
魔王はそれだけ言い、フードを目深に被り直して玉座の間から出て行った。
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