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「おおおおお落ち着け俺!!なんとかなる!素直が一番!!」
訳のわからない言葉を口にして気を紛らわす。
キョロキョロしながら歩き出し出口を探す。
(どっどこだー……出口ー……)
ズカズカと歩くが出口は一向に見当たらない。
それどころか同じ所をグルグル回っているような錯覚に陥る。
「……認めたくはないが……もしや俺迷子状態?」
同じ景色に同じ空。
進んだのか戻っているのか全く分からない。
目印をつけようにもこの花畑の中、どう目印をつければいいのかも思いつかない。
第一、人の花畑を荒らすなどもってのほかだ。
半ば諦めてまたその場にどかっと座る。
「はぁ……」
なぜこんな場所に自分がいるのか、全く思い出せない自分が腹立たしくなってくる。
なんでこんな場所を選んだのかさっぱりだ。
(と言うか近場にこんな場所あったか……?)
思い出そうとすればするほど頭にかかるモヤモヤは、一層濃くなっていくばかりだった。
ふと思いだしてポケットに手を突っ込むが何も入っていない。
「携帯も持ってないとか俺どゆこと」
ため息しか出ずその場に横になる。
優しい風は先ほどと変わらず頬を撫でていく。
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