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「…………水だっ!!」
音のする方へと一目散に走りぬけていく。
すると、うっすらと霧のかかる方向に小さな森が見えた。
花畑意外に見る他の景色に自然と不安がどこかへ消えた。
森の入口で一瞬足を止めるがそのまま突っ切って行くと、お目当ての透き通る水がたっぷりと広がる湖へと出た。
なんの迷いもなくその湖の水を手ですくい上げ、カラカラになった喉へと流す。
「ぷっはぁー!!生き返ったっ…………」
キラキラと光り輝く湖を見てひとまずほっとする。
前に進んだ結果見つけた何よりの証拠だ。
だがそれにしてもかなり広い敷地に驚くしかない。
どこかのお城の庭園なのではと疑いはじめているが、日本にこんな場所はある訳がないだろう。
「……喉は乾いても腹は減ってねぇなんて珍しいな俺……」
ぽりぽりと頭をかいてお腹が空かない理由も考えようとしたが思い出すはずもない。
「まっ。夕方には帰れれば夕食にありつけるか」
もう一度水を飲もうとその場にしゃがみこむ。
透き通る水の水面を見つめていると何かを感じた。
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