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波立った水面の先を追うようにその先をゆっくりと見つめる。
見つめた先に見えたものに翔は思考が全て止まった。
透き通るような白い肌に艶やかな黒い髪、まっすぐ翔を見つめる黒真珠のような瞳。
見たこともないような美少女がそこに立っていた。
「…………」
「あなた……一体誰?」
小さくそう呟いた美少女に止まっていた翔の頭はようやく働きはじめた。
久々に聞く人の声に翔の心は一気に温められた。
「人だ……」
「……え?」
「あ!いや!なんか久々に人と会話したから……」
慌てて謝り今の現状を考える。
美少女に出口を聞けばここから出られることは確にだ。
だが問題もある。
ここは美少女の家の広い広い庭園であった場合不法侵入している恐れもある。
そうだった場合が一番危ない。
そんな行動をとった自分を一生恨むに違いない。
「どうやってここに来たの……?」
「……えっと……」
これはまずい方向に進んでいるかもしれない。
身の危険を感じながらも素直に全てを話すことを決意した。
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