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(――随分懐かしい夢を見たものだな)
夢現から抜け出し、完全に覚醒したハイドはふと、窓の外を眺めた。
小雨がぱらぱらとちらついている。
おそらく、通り雨だろう。
――時雨月。
そう呼ばれるこの月はその名の通り、通り雨がよく降るのだ。
懐かしい夢を見たのもこの雨が原因かもしれない。
東の国の王都・神楽。
ハイドの生まれ故郷であるそこは、よく雨の降るところだったから。
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