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「とりあえずここを出よう。長居は無用だ」
いつ山賊たちが帰ってくるかわからないのに、この場所にとどまるのは危険だ。
「そうですね、でもこの他の人たちの荷物はどうしましょう…」
「持って帰ったところで持ち主がわかるかわかんないけど……、とりあえず持って帰っとくか?」
「でもこの量ですし…。運び出すのにも時間が」
確かにそうだな、どうしようか?
あっ!いいことを思いついた。
「【ゲート】」
手を何も無い場所へかざしそう言うと、空間に亀裂が走りそれがひろがって真っ黒な穴のようなものができた。
「これは…、空間属性の魔法を詠唱破棄で!?拓也さんあなたは一体!?」
しまった…。まぁいいよねじーさんに力を隠せとは言われてないし
「ごめん、俺のことは後でいいかな?今は急ごう」
「あ、そうですね…すみません取り乱してしまって。空間属性なんて見るのも初めてなので」
そーなのか?神に匹敵するほどの力を持ってるんだからてっきり全属性使えると思ってたけど…。違ったのね
いや、覚醒した後にアホみたいに強くなるのか?でも今でもかなり強いよな?
……。考えるのはやめよう、疲れるから。それに今この荷物を持って逃げるのが先決だ
「そうなんだ、とりあえずゲートにこの部屋にある盗品全部入れてくれ。そして逃げよう」
その後はふたりで、盗品をゲートに詰め込み、詰め込み、詰め込み続ける。
そしてやっと最後のドレスをゲートに入れようとしていた時だった
「おい!お前ら何してやがる!!」
山賊かえってきちゃった!
「いや~トイレを借りようかと」
「お前が手に持ってんのはなんだ?」
こいつドレスに目を付けるとは…、できるな!
「俺の普段着?」
「ふざけんな!!お頭っ!盗賊です!!」
ふざけてみたがだめなようだ。この山賊相当ご立腹ですね
てかお頭呼ぶなし!あいつ苦手なんだから、主に声が
それより俺たちを盗賊呼ばわりとは
「ミシェル、逃げるぞ」
ミシェルにだけ聞こえる程の声量でそういう
「どうやってですか?地下室の出口は1箇所ですしあの山賊が邪魔で通れないですよ?」
確かにそうかもしれないだが、
「転移すればよくね?」
転移とは自分が指定した場所へ瞬時に移動できる便利な魔法だ。
しかし発動するまでに5秒ほどかかるので戦闘中に使うことはあまり無い。
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