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「ああああああああああああああクッソオオオオオオオオオオオ埒が開かねええええええええええええええええええええミシェルッ!飛ぶぞっ!」
「えっ!?」
俺はそう言うとミシェルの腕を掴み手繰り寄せ、しっかり抱きかかえた。
俗に言うお姫様抱っこという奴だ。
「しっかり捕まってろよっ!」
「えっ!?ちょっとまってくださああああああああああ」
ミシェルが言い切る前に大地を蹴り、大空へと飛ぶ
ある程度飛んだところで簡易な風魔法を発動させ、空中にとどまる
「おそらくこれで山賊共は撒けただろう。んで?あれがミシェルの住んでる町か?」
町と言うか国?それも規模が小さいものではない。
国の中心にとても大きな城があり、それを取り囲むようにして町が延々と続いているような感じだ
そして町の外側には城壁が町を囲っている。
この遥か上空から見てもかなり大きいのだ、地上に降りればそれは栄えているな国のだろう。
城があるって事は王国かな?
「そうです。あれが私の住んでる国、『エルサイド王国』です。それと、あの…、下ろしてください」
「おっと悪い」
美少女をお姫様抱っこするという至福の時間が終わってしまった。
そっと下ろすとミシェルも簡易な風魔法を発動させ空中に浮く、
「これからどうしよう?」
「とりあえず拓也さんの服を買いに行きませんか?ずっとそのままなのは精神的にも衛生的にもよくないですし…」
そうでした、今俺裸ローブだった。服ね~?あ!そういえばお金持ってないじゃん俺!
「ごめん今俺お金持ってない…」
この世界に来たばっかりでお金とか持ってないの忘れてた。
このままじゃやばくないか?住む場所にしても着るものにしても食べるものにしてもお金が無いとどうにもならない
服が破れてもいつも新しいの作ってくれたりしてたラファエルたんがどれだけありがたかったか今思うとよくわかるよ……。
「それなら大丈夫です。お金は私が出しますから」
マジですか、この子いい子すぎて涙が出てくるよ…
でも女の子に払わせるのはなぁ
「でもミシェルに悪しなぁ」
「でわこれをお詫びとしましょう。それでいいですか?」
この世界に来て初めて人の優しさに触れた気がする
「それじゃあお言葉に甘えるとしますかね」
「じゃあ早くいきましょう」
そう言って二人は王国の入り口の門に降りていった
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