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「草野球?またずいぶん懐かしい話を持ってきたな」
町同士の野球の試合。佑介と進が小学生だった頃までは町内会のチームに呼ばれて出ていたのだが、中学に上がってからは助っ人をまったく頼まれなくなったのだ。
呼ばれなくなった理由は至極簡単。佑介と進のバッテリーの前に他の町のチームが全く歯が立たないから。
小学生だからと舐めて参加を許してた他のチームからの抗議。また、さすがに試合にならないと佑介たちのチームも分かったらしく、中学に上がったと同時に助っ人を頼まなくなった。
「どうも隣町の野球チームに高校球児バッテリーが混じってるらしくてね、ここ最近全戦全敗中」
そこで佑介たちを助っ人として呼び、連敗記録を止めるのが羽衣のお父さんの考えらしい。
「しかたないなぁ。地元のチームが連敗ってのも気に食わないし、一肌ぬいでやるか」
そうと決まったら肩でも慣らしとくか。
佑介はグルグルと腕を回しながら自宅にグラブをとりに帰ろうと歩き出す。
しかし、それを阻むものがいる事を忘れてはならない。
「ちょっとまちなさい、さっきの私との約束を忘れたわけじゃないでしょうね?」
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