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「まったく、遊んでばっかりだとロクな人生送れないよ!」
佑介が怯みまくるなか、羽衣の説教は終わらない。
昔から過保護すぎる幼馴染に怒られながら佑介は渋々バットを備え付けのケースに戻した。
「わかった。やるよ、やってやるよ。夏の課題なんて俺にかかれば一日で粉砕してやる」
そう言って佑介はゲージの外に出ようとする。そこで、見なれた人物がこちらをニコニコしながら見ていた事に気付いた。
「まったく、佑介も変わらないなぁ。羽衣を困らせたらダメだよ」
上坂進(ウエサカ シン)羽衣同様、昔ながらの幼馴染である。
「なに言ってんだ、困ってるのは俺の方だよ」
「佑介がしっかりしてれば困る事ないのに」
進の発言に羽衣がうんうんとうなづく。
「バーカ、しっかり出来たら苦労しねぇよ。出来ないから困ってるし、やらないと説教が飛んできて困るし、これはもう八方塞がりだ!困ったり困ったりだ!」
そんな佑介の発言に進が呆れるようにガクリとうなだれた。
「ついでに俺も困ってるんだよ。佑介に用事があったのに、これじゃ頼めないじゃないか」
「用事?なんだ?課題を写させてほしかったのか?」
佑介が首をかしげながら聞く。
「課題ならとっくに終わってるよ」
「何!?じゃあ、写させてくれ!」
佑介の目が一気に光り輝いた。
「ダメ!!」
――――と羽衣が一蹴
佑介はガクリと肩を落とした。
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