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「まぁ、俺の用事というより羽衣のお父さんの用事なんだけど」
ガックリと肩を落としている佑介に向かって進が用事の内容を説明しようとする。
「お父さん?」
突然出てきた我が父の名に羽衣が反応した。
「羽衣のオヤジが?嘘だろ?さっきあった時には何も言ってなかったぜ?」
佑介は先ほど受付を通り過ぎた際の羽衣のお父さんがいつもと変わらないことを思い出しながらそう言った。特に用事なんてなさそうだったのだ。
「たぶん、羽衣が近くにいたからじゃないかな。内容が内容だし」
「なんじゃそりゃ」
佑介が首をかしげ、その隣では羽衣が笑顔で指をポキポキ鳴らしてる。
「―――で?内容はなんなの?事によってはお父さんを締めあげないといけないんだけど」
「うーん、もしかしたら、またエッチなものを俺に押しつけんのかもな。羽衣に見つかる前に」
「ほほー、『また』って事は前にもそんなことがあったのね。あのエロおやじ・・・・」
「あ、しまった。この事は羽衣には内緒の約束だった・・・・」
腕を振り回しながら受付の方に向かっていく羽衣を進がなだめるように止める。
「まぁまぁ、落ち着いて。内容はいたって健全だよ。今度の日曜の草野球の試合についてさ」
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