0人が本棚に入れています
本棚に追加
何だか孤独を味わったような気分で、翌日もフラフラと漂っていた。
(私だけ何もフラグ立たないなぁー…)
体育見学の後、トボトボと靴箱へ一人足を運ぶ。
皆は着替え中。
階段の下にある靴箱は少し薄暗くて、今の自分としてはビミョーに落ち着く気がして…
つい物思いに耽っていたら、、
「こらっ。」
ドキッ!
「なにしてんの?」
「ビックリしたぁ~、林先生やん。」
声をかけてきたのは、新米体育教師の林先生。
「お前どっか悪いの?」
「ん?んーーー…?」
「サボりかっ!(笑)」
身体の調子が悪いのはあるんだけどねー、上手く言えない。
こーゆー時は笑って誤魔化す。
「あははは。」
まだ若い先生だから、冗談もノリも生徒に近いものがあるのかな?
あんまり怒ったりもしない。
こんなとこに二人きりで居るのもビミョーだなぁ、、と、
上履きに履き替え階段に行こうとしたら…
「!」
先生が身体ごと行く手を遮った。
(先生?)
薄暗い中で先生の顔を見上げると、、
無言のまま口を開かず笑っていた。
(えっ…?)
状況が把握しきれず、頭の中でプチパニック。
ふと触る手。
(ドクンッ…)
気付けば私の左手を上に向け、先生の右手が私の左手首を握りしめていた。
そうして、ジリジリと近付いてくる。
(近っ…!)
痛いくらい手首を掴まれたまま、大人の男の人が薄ら笑いを浮かべて…
(……っ!)
無言で何を考えているのか分からない。
怖いくらいの圧迫感に声が出ない。
近付く熱に押されながら、どんどん…どんどん…階段下の暗がりへ…
ドッ…!
壁に背中を打つ。
これ以上下がれない。
のに、
先生は、私に覆い被さるように距離を縮め続け…
近すぎて…顔がよく分からない距離になった瞬間!
「あははは!」
複数の女子生徒の笑い声が、遠くで聞こえてきた。
こっちに来るかも、、
すると、先生の手がゆっくりと離れ、ゆっくり歩き始めた。
目線を残したまま笑顔で去って行った、、
私もそのまま教室へ向かった、、
何事もなかったような顔で、、
そう…何もなかったんだから…
最初のコメントを投稿しよう!