第1話『その男、最強なり』

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「明日で高校生活も終わりかー」 ガリガリに痩せて 1000円カットで 『インフィニティカットで。』と 床屋のおっちゃんを困らせている 坊主頭の『鈴村 孝夫(すずむら たかお)』が ジョセフジョースター風に言った(似てない。) 「学食の【闇夜に招かれし白銀の妖精】が 食べられなくなるのか…やむを得ぬか…」 見た目がアンガールズの田中を太らせた感じの 『田中 太郎(たなか たろう)』が 変な臭いを口から吐き出しながら言った。 カレーの臭いだ。 ふっ…なんて気持ちの悪い二人だ。 生憎、俺はこんな二人とは違う。 なんせ俺は格好良い! V6の岡田ぐらい格好良い!! こんな格好いい俺が何故っ! この二人、声優オタクと中二病デブと 一緒に高校生活を最後まで過ごしたか… 結論から言おう。 俺は顔以外ダメなのだ。 ネットで言えばまさしく 【残念なイケメン】なのだ。 身長151cm 50m走リタイア 最高得点13点(選択問題で全部1にした結果) よくうんこ踏む 手先不器用 コミュ症 チャリ乗れたことない スマブラでは自ら死ぬ …etc. こんな俺におもしろがってくる奴以外誰がいる! おかんぐらいだ!おとんはからかってくる! …しかし、この二人は違った。 差別せず俺という人間を受け止めてくれた。 おかげで俺も立派なオタクだ…。 その親友である二人と 明日、卒業式で別れてしまうのだ。 鈴村は県外の声優育成スクールに。 田中は県外の医学の専門学校に。 俺は地元でモンスターハンター(2nd)。 バラバラになるのだ。 二人とこうやって下校するのも 今日で最後になるのだ。 ……寂しくなる。 「…明日は三年間最後の日。心して任務を遂行するんだぞ」 「…やれやれだぜ(似てない)」 「我にとって造作もないことよ…」 三人は暗い顔で それぞれの家に帰った。 夕方に放送する 『半身ライダー寒威』の再放送の為に…
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