第四章・空虚
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悠馬は助手席に滑り込んだ私の手元に視線を移し、ぱっと顔を輝かせた。 「手袋、使ってくれてたんだ」 「あ、う、うん。これ、すっごく暖かい」 手袋は悠馬が私の誕生日に送ってくれたものだ。 彼は照れ笑いし、何度も私の手元に視線を送った。 その手袋の下に、拓実が送ってくれたブレスレットが隠れているのを、でも悠馬は知らない。
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