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ーーつんつん ガックリ項垂れてたら… 不意に、背中をつつかれた。 「……なに?」 「その様子だと、なんかミスった?」 ニコニコしながら聞いてくる……松居君。 相変わらず、鋭い観察力で… 今は、ソッとしてて欲しいのに。 「ちょっとだけ…ね」 笑って誤魔化しながら言うと、 「名前、忘れてたとか。……流石に、それは無いよね」 言いながら笑ってる。 「はは、まさかぁ…」 「次って、世界史だよね……苦手なんだよなぁ」 「……じゃ、教科書、確認するね」 ……なんとか 話をそらしてして教科書を眺めても、 全然、頭に入ってこなかった。 「あっ、柊さん!今度は忘れないように…ね」 「………」 教科書の内容は 全然入ってこないで、 松居君の声だけが入ってきた。 いつも、本当に感心させられる。 一言、余計だけど。 「唯ちゃん!どうだった?」 日向ちゃんに聞かれて 「……まぁまぁ、かな」 言った瞬間、 微かに笑ってる声がして、トドメを刺されてしまった……。
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