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浜田先生の笑い声で、
泣きそうになってたのをなんとか堪えることが出来た。
「お前の、頼んない担任。もうすぐ、終わると思うからな」
「……はい」
「柊ー!否定しないと、担任泣くぞ?」
それだけ言い残すと、
入り口に大きな音を響かせながら、ヤッパリ豪快に出て行った。
急に静かになって、
静かすぎるくらいで
なんだか寂しく感じてしまう。
開いたままだった教科書を見てると、浜田先生の言葉が浮かんできた。
また胸があったかくなってきてじんわりと優しさで、一杯になってくる。
背中を押してくれたように思えて、嬉しかった。
でも、泣かないように
シャーペンを持つ指に力を込め勉強に集中することで、
なんとか、意識をそらせることが出来た。
ーーガラッ…
「……悪い。遅くなったな?」
「先生、お疲れ様です」
「……あぁ、帰るか」
「はい」
帰る準備をしながら、
笑いが込み上げるのを我慢していた。
『頼んない担任』
って、言葉が浮かんできたから。
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