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「いらっしゃい!はる君の生徒さんかな?祖父の暖太郎(はるたろう)です」 ……お祖父さん? 慌てて、立ち上がって 「お邪魔してます。柊唯といいます。お世話になってます」 挨拶をして、頭を下げていると 先生が何故か、疲れたようにタメ息をついている。 「可愛いね。唯ちゃんか?宜しくね!」 え?『唯ちゃん』って言ったよね。 そう言えば翔くんに、似てる? 「……じいちゃん。やめてくれよ?俺の教師のイメージが崩れる!」 ……冬木先生って 『じいちゃん』って呼ぶんだ? 色んな冬木先生が見れて、頬が緩んでしまう。 「まぁ、ゆっくりしていってね?唯ちゃん」 先生の言葉なんて 気にしてないようで、 奥にお祖父さんは行ってしまった。 ……笑い声だけを残して。 「……柊。そろそろ送るよ」 「え?あ、はい」 先生が力なく立ち上がると、 急に声を掛けられて……驚いた。 それと、もうちょっとだけ居たいと思ってしまった……。
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