14/21
前へ
/174ページ
次へ
少しの沈黙の後。 「……柊」 「はい」 先生に呼ばれて、 イヤな思考から開放された気がした。 冬木先生の声は、本当に心地良くて……安心する。 ずっと聞いていたいって思ってしまう。 「俺の事より、体調大丈夫か?」 「はい。先生の家に行けて、楽しい時間が過ごせて、元気になれました」 ……イヤな事も、 先生が居ると少しでも、忘れる事が出来る。 消すことは出来ないかもしれないけど、強くなることが出来る。 冬木先生の存在が無かったら、 先輩に自分の気持ちを伝える事なんて、絶対に出来なかった。 「……そうか?だったらいいけどな」 「また、行っていいですか?」 思わず言ってしまったけど、ダメですよね? 「いいけど、うるさいぞ?」 「本当ですか?」 先生の予想外の言葉に、 嬉しくて、シートから身体を浮かせて確認してしまってた。 「おい!危ないぞ?」
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

455人が本棚に入れています
本棚に追加