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少しの沈黙の後。
「……柊」
「はい」
先生に呼ばれて、
イヤな思考から開放された気がした。
冬木先生の声は、本当に心地良くて……安心する。
ずっと聞いていたいって思ってしまう。
「俺の事より、体調大丈夫か?」
「はい。先生の家に行けて、楽しい時間が過ごせて、元気になれました」
……イヤな事も、
先生が居ると少しでも、忘れる事が出来る。
消すことは出来ないかもしれないけど、強くなることが出来る。
冬木先生の存在が無かったら、
先輩に自分の気持ちを伝える事なんて、絶対に出来なかった。
「……そうか?だったらいいけどな」
「また、行っていいですか?」
思わず言ってしまったけど、ダメですよね?
「いいけど、うるさいぞ?」
「本当ですか?」
先生の予想外の言葉に、
嬉しくて、シートから身体を浮かせて確認してしまってた。
「おい!危ないぞ?」
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