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「……先生ぇ」 「なに?」 「……私の方が、もっと好きですから」 私の気持ちを 伝えたくて、 知ってて欲しくて 冬木先生だったら… 嫌な過去も全部消してくれるような……気がして。 そんなことある筈なんか……ないのに。 どうしてだろう? 何故か、そう思ってしまう。 「ふ、柊には、勝ってると思うけど?」 「そんなこと、ないですよ」 冬木先生の言う言葉は、 私が欲しいモノばっかり。 ……けど、 私はヤッパリ子供で、 もっと好きだって気持ちを 伝えたくて、少しムキになってしまう。 「解ってるよ」 そんなことも、 全部、理解してるって感じで 私に言い聞かすように言ってくれる。 凄く、嬉しいことだけど… ーー少しだけ 悔しい気持ちになってしまう。 子供だって、 言われてるようで。 ……けど そう感じてしまうこと自体 きっと、子供なんだろうな? でも今日は、 今日だけは…… 冬木先生から離れるのが……怖い。
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