454人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
「おはようございます!」
「おはよう」
いつものように、
冬木先生に挨拶をしてから
車までの距離を後ろについて歩いていく。
……もう
前しか見ないで、
余所見なんかせずに。
「……柊、ボーッとしない!」
「あ、はい」
少し、ボーッとはするけども…
前には、ちゃんと進めてる?
とは、自分では思っている。
「ボーッと、し過ぎだって!」
「外、見るぐらい。……いいじゃないですか」
冬木先生は前よりも、少し意地悪になった気がする。
「こら!先生に、"クチゴタエ"するなよ」
「……はい、解ってますよ」
あれから先生は、
なんか先生として気迫というか
まるで、ヤル気スイッチが入ったみたいに張り切っているように思う。
相変わらず、
送り迎えをしてもらってるけど、
ちゃんと電車に乗れるように、少しずつ練習もしている。
先生は焦らなくても、いいとは言ってくれるけど…。
最初のコメントを投稿しよう!