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「……先生、ご褒美もらってもいいですか?」
……少しでも、
先輩のことを忘れたくて、
冬木先生に忘れさせて欲しくて
無理なことだって、解ってるけど。
先生を困らせることだって……解るけど。
このまま帰ると、
また、思い出しそうで…
「……まだ、結果出てないけど、聞くだけなら、いいよ?」
「……先生の家に、今から、行ったらダメですか?帰りたくないです」
本当に子供だって、
本当にワガママだって、
自分でもよく解ってるけど…
冬木先生のもっと
もっと近くに居たくて…
冬木先生に
過去を消すことは出来なくても……
新しく塗り替えて欲しいって思ってしまう……。
「……柊が、卒業するまでは、連れて行けないから」
キッパリ言う冬木先生。
「……すみません、変なこと言って。どうかしてました」
「あぁ、他の事は、なんでも受け止めてやるけど。それだけは聞けないから」
……最初から
解っていた答えに……安心してた。
そういう冬木先生だから、
好きになったんだって……。
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