20/21
前へ
/174ページ
次へ
「……柊が…謝ることないだろ」 「……ごめんなさい……」 冬木先生はそう言って 抱きしめたまま顔を覗くけど… 見られたくなくて こんな私を見せたくなくて 首を横に何度も振りながら あったかい胸に顔を埋めた私だった。 先生は優しいから… きっと今の私の顔を見たら もっと苦しめることになるから 「……柊?自分を責めてんのか」 「今日、心配させたから…」 「じゃぁ、なんで顔……隠すんだよ…」 先生にそっと顔を上げられて ……でも 視線を合わすことが出来なかった。 「…………」 「……バカだな?…柊は…」 冬木先生は… それだけ呟くように言って さっきよりもぎゅうっと… 強く強く抱きしめてくれた……。 「……先生ぇ、苦しいですよ…」 「……そんな顔…するなよ」 「……先生も、そんな顔…しないで下さいよ…」 「柊が笑顔見せてくれたらって、いつも言ってるだろ……」
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

455人が本棚に入れています
本棚に追加