第1章

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 待ち合わせ場所に着き、周りをキョロキョロ見回したが隆二の姿が見当たらない。  どうやら先に着いたようだ。  すぐに着くと言っていたのでメールはしない。  周りの人たちの服装を見てやっぱり今日はもう少し厚着の方が良かったか、と少し後悔した。  本当に来週には桜が咲くのか疑問に思う肌寒さだった。  コーヒーでも買おうかそれとも店内に入って適当に家電でも見て回っていようか迷っていると不意に後ろから声をかけられた。  いつもと変わらないカジュアルなファッションの隆二だ。無論彼も厚着であり、ますます自分の服装を後悔した。  「よぉマサ!まった?」  「ううん、今来たところだけど寒いからコーヒー奢るか上着一枚寄越せ。」  そういって上着を剥がそうとするが難なくかわされてしまう。  「久し振りに会っていきなりそれかよ!かわんねーな。」とくしゃっとした笑みを浮かべた。  「お互い様だ。それより寒いからどっか入りたい。飯食べた?」  「いや、まだ。んじゃ何か食いにいくか?」  「うどんと牛丼以外ならなんでもいいからどっか行こ。」そういってわざとらしく身震いした。  「まあ適当に行くか。」と歩き出したのでその横に並んで歩いていた。  
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