第1章

4/11
前へ
/11ページ
次へ
 「そっか。健二と由紀が結婚かぁ」と一人の部屋でため息混じりで話し、新しいタバコに火を着ける。  ふと学生時代に卒業してしばらくしたあとに集まり、みんなで「健二と由紀なんかこのまま結婚しそうじゃない?」と笑いあってたことを思い出した。  「卒業した後もみんなでこうして集まろ」っと絵里が泣きながら言い全員で泣きあったのももう五年も前になる。  実際に仕事が始まると土日が休みでは無い俺たちが全員で集まる等といったことは滅多に出来ず、最後に集まったのはいつ頃だろうか、と虚しく感じるものである。  今日は休みだったのでパチンコに行こうと思っていたが、健二の報告を聞きそんな気分では無くなったので、何となく卒業アルバムを見ることにした。  小、中、高、専門と過ごしてきたが一番短い中でも一番楽しく、充実していたのが専門学校だ。今思えば人生の中で一度戻れる時期があるなら迷わず専門学校だろうな、っと思いながらアルバムをめくっているとまたも着信だ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加