第1章

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 隆二は専門学校時代の一番の親友だ。  学校にいたときは常に二人で行動していた。  何故仲良くなったかとかいつから二人でつるみ始めたかとは二人とも全く覚えていないが、一番の親友と言われるとやはり俺の中では隆二だ。  卒業式後の飲み会のあと、数人で帰っていたときに別れが寂しくて話してるうちに涙が止まらなくなったときに抱き締められ、  「いつでも会える。何度でもこれから先も遊ぼう。だから仕事頑張っていつ会っても誇らしくおろ!お前は一生の親友だ!」  と二人で泣きあったのは今思うと少し恥ずかしいが、大切な思い出である。  この言葉に何度も救われたこともある。  ふと時計を見るともう11時に差し掛かっていた。  自分で言っときながらあまり時間が無いと言うことに気付き、もう少し余裕を持った方が良かったが、やはり1秒でも長く遊んでいたいので手に持っていたタバコを消し、すぐに準備を始める。 ウォークマンを取り出し、当時聞いてた曲を再生しながら駅へと向かった。
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