第16話

第四章・ひどい女

それから数日後、さすがの悠馬も今回ばかりはこれまで通り私に接する事ができなくなっていた。

あからさまに私を避け、目も合わせない。仕事で必要な最低限の会話しかしないし、休憩室に私が入ると出て行く徹底振ぶり。

そんな私たちの変化に職場のスタッフは興味を示したが、何を聞かれても曖昧に濁す他なかった。

実は、あづさからも連絡が来た。

散々罵られ、最後は悠馬の気持ちをわかってほしいと泣きつかれた。

でも、私はそれを拒否した。一時しのぎの同情なら、しないほうがいい。私の覚悟も悠馬の覚悟も無駄になる。

それに、落ち込んでばかりいられなかった。その間にも、私は拓実と再会する日のために準備をしなくてはいけなかったのだ。