第四章・ひどい女

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眠れない日が続いた。ようやく寝付いたと思えば悪夢にうなされた。 夢の中で、私は高校時代に戻っていた。 真衣と拓実の仲睦まじい後姿を、私はあの頃と全く別の感情で眺めている。 私は、拓実の隣で笑う真衣に、醜い嫉妬心を燃やしている。 真衣さえいなくなれば、拓実は私のものになるのに。 すると、真衣はくるりとこちらを振り返ってこう言うのだ。 あたしがいなくなっても、拓ちゃんは真央のものにはならない。だって、私たちは二人で一つなの。 すると、場面は突然断崖絶壁へと移り変わる。 二人は崖の向こうへ軽やかにかけていく。私は、二人を必死で追うのだが、足が鉛のように重く、追いつけない。 そして、真衣がまず先に飛ぶ。 やめて! 私は、残った拓実だけでも助けようと手を伸ばすのだが、彼は私の手を振り払い、嬉しそうに真衣の後を追うのだ。 まって!
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