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夕飯を食べ終えたクロノは自室に戻り、ベッドに身を投げた。
(あー、めんどくせー!)
クロノは明日から始める護衛の仕事を考え、イライラしていた。
親方に頼まれたからには仕方ない。
しかも護衛依頼を受ける代わりに小麦粉を用意してくれると約束してくれたのだ、反故するわけにはいかない。
いっそシューナル兵が暴れまくって商売どころじゃなくなってくれねえかな、などと不謹慎なことまで考え始める始末。
――――コンコン。
「はーい」
リカルドが帰ってきたのかとうんざりしたクロノだが、聞こえてきたのは違う人の声だった。
「親方に頼まれ、小麦粉を届けにきました」
「お、仕事がはえーな」
クロノは起き上がり、ドアを開けた。
「小麦粉1キロです」
「どーも」
「では失礼します」
クロノはわざわざ届けに来てくれたコックを見送ったあと、ドアを閉めた。
(……これ、いつ持っていこうか……)
そう思ったとき。クロノは思いついた。
レイアと、小麦粉をかけた交渉を。
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