急速に深まる仲

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 その後、早速くじ引きをして、同じ番号を引いた2人がペアになる。ということで、生徒が全員引くと、1人1人ペアを見つけては喜ぶ人が多かった。  山岡もその内の1人だった。・・・そう、川野とペアになれたからだ。 「・・・なんであんたなんかと」  4番と書かれた紙きれをひらひらさせて、つまらなそうに川野が言った。 「まあいーじゃんっ幸運の女神さんよっ」 「はあ!?幸運の女神ってあたし!?冗談じゃないわよ、あたしあんたなんかと組みたいわけじゃないしっ どこが幸運よっ」 「まあまあ、仲良くやりましょーぜっ!」 「はい、はい・・・」  2人がそんな会話をしている後ろの方では、愛優が1人、ウロウロしていた。 「わあ・・・もうみんなペア組んでる・・・。私も早く見つけなきゃ・・・!」 「あっ桜木!」  前の方から声がして、前を向くと4,5人の女子に囲まれた絽稀和が手を振ってこっちを見ていた。  愛優が駆け寄ると、絽稀和が言った。 「どーだ?桜木はペア、見つかったか?」  すると愛優は、絽稀和の周りにいる女子たちの目を気にしながら、こう言った。 「いえ・・・私は、まだペア見つからなくて・・・」 「そうか・・・実はオレもなんだ。」と絽稀和が答えると、周りにいる女子たちの内の1人が言った。 「悔しいけど、あたしらも十時くんとは違う番号だった・・・。」 「だったらさっさとペアの人のとこ行けよ」  絽稀和が女子たちを追い払うようにして言うと、「はあーい」とバラバラになって1人1人ペアの方へ向かった女子たちを確認すると、愛優に目線を合わせ、耳元でささやいた。 「なあ、もしかして、オレらペアじゃね?」  ぴっとくじ引きの6と書かれた紙を見せて笑った絽稀和を見て、愛優は少し顔を赤らめて、同じように自分のくじ引きの紙を見せた。 「ははっやっぱりな!だってオレらしか残ってねーんだもん!おっしゃ!!」とまるで積雪の中を嬉しそうに走り回る犬のような絽稀和を見た愛優は、右手を口に添えて笑った。 「・・・はいっ!」
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