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!?って。冗談で言ったと思うけど、私は真に受けてこの純華に来たの」
絽稀和は彼女の勉強人生にあっけにとられた。
「・・・す、すごいな、桜木・・・」
「えへへっすごい?私すごい?やった、褒められたっ!」
愛優は右手を口に添えて笑った。
絽稀和はそんな彼女を見て、微笑んだ。
「桜木さーんっ ちょっとこっちいいーっ?」
クラスの女子に呼びかけられた愛優は、「はあーいっ!じゃあ、行ってくるね」と明るく返事をして、絽稀和に告げた。
絽稀和はそんな彼女を見てつぶやいた。
「いってらっしゃい、リン・・・!」
トポトポ・・・
川野がコップにオレンジジュースを注いでいると、小木先生がぱんぱんと手を叩き、「はい、前半と後半入れ代わり~!」と言うと、ちょうど11時になったところだった。
川野がオレンジジュースのボトルキャップを閉めていると、山岡がつかつかと来て、川野の腕を掴んで廊下へ連れ出した。
「ちょっ・・・何!?山岡!びっくりするじゃんッ!」
川野が山岡の手を振り払って言った。
「だって俺ら前半じゃん。休憩になったじゃん」
山岡がぶっきらぼうにそう言うと、川野が言った。
「・・・ああ、後半の人見つけて、交代って教えるんでしょ?それくらいわかって・・・」
「違う。休憩になったから話があるっつってんだよっ」
そんな山岡のセリフは聞いたことがなかった川野は驚いた。
「・・・さっき・・・十時と桜木さん、2人で一緒にいたろ」
「さあ?あたしはそんな2人のことなんて見てな」
「ウソをつくな。川野が十時を見ないことなんてない!作者がそういう描写を書かなくとも俺にはわかる!」
川野の言葉を遮って、山岡は川野の心を見透かした。
「・・・そ、それが、どうしたのよ?」
「あーもー、じれってぇなあ!おめーは十時を好きなのはもうずいぶん前から知ってる!もうその気持ち隠すな!俺が全部受け止めてやる!!」とやや興奮気味に、山岡は両手を広げた。
川野は驚いてから、ツボにはまった。
「何それ!あんたがあたしの気持ち受け取ってどーすんのよ!だいたい、」
「俺は川野が好きだー!!大好きだー!!」
「ちょっ・・・山岡!あんた声デカすぎ!しーっしーっ!」
そんな2人を廊下を通っている人や、2-Cの教室などの人は、くすくす笑っていた。
川野は恥ずかしくなって「すみませんすみません」と通る人に頭
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