山岡の告白

2/3
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
!?って。冗談で言ったと思うけど、私は真に受けてこの純華に来たの」  絽稀和は彼女の勉強人生にあっけにとられた。 「・・・す、すごいな、桜木・・・」 「えへへっすごい?私すごい?やった、褒められたっ!」  愛優は右手を口に添えて笑った。  絽稀和はそんな彼女を見て、微笑んだ。 「桜木さーんっ ちょっとこっちいいーっ?」  クラスの女子に呼びかけられた愛優は、「はあーいっ!じゃあ、行ってくるね」と明るく返事をして、絽稀和に告げた。  絽稀和はそんな彼女を見てつぶやいた。 「いってらっしゃい、リン・・・!」  トポトポ・・・  川野がコップにオレンジジュースを注いでいると、小木先生がぱんぱんと手を叩き、「はい、前半と後半入れ代わり~!」と言うと、ちょうど11時になったところだった。  川野がオレンジジュースのボトルキャップを閉めていると、山岡がつかつかと来て、川野の腕を掴んで廊下へ連れ出した。 「ちょっ・・・何!?山岡!びっくりするじゃんッ!」  川野が山岡の手を振り払って言った。 「だって俺ら前半じゃん。休憩になったじゃん」  山岡がぶっきらぼうにそう言うと、川野が言った。 「・・・ああ、後半の人見つけて、交代って教えるんでしょ?それくらいわかって・・・」 「違う。休憩になったから話があるっつってんだよっ」  そんな山岡のセリフは聞いたことがなかった川野は驚いた。 「・・・さっき・・・十時と桜木さん、2人で一緒にいたろ」 「さあ?あたしはそんな2人のことなんて見てな」 「ウソをつくな。川野が十時を見ないことなんてない!作者がそういう描写を書かなくとも俺にはわかる!」  川野の言葉を遮って、山岡は川野の心を見透かした。 「・・・そ、それが、どうしたのよ?」 「あーもー、じれってぇなあ!おめーは十時を好きなのはもうずいぶん前から知ってる!もうその気持ち隠すな!俺が全部受け止めてやる!!」とやや興奮気味に、山岡は両手を広げた。  川野は驚いてから、ツボにはまった。 「何それ!あんたがあたしの気持ち受け取ってどーすんのよ!だいたい、」 「俺は川野が好きだー!!大好きだー!!」 「ちょっ・・・山岡!あんた声デカすぎ!しーっしーっ!」  そんな2人を廊下を通っている人や、2-Cの教室などの人は、くすくす笑っていた。  川野は恥ずかしくなって「すみませんすみません」と通る人に頭
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!