君との記憶

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「・・・オレ、5歳の時、幼なじみの女の子、リンって言うんだけど、さっきみたいな交通事故でその子を亡くしたんだっ・・・」  愛優は、えっ・・・と絽稀和をはっと見た。  「・・・その子は、オレが殺したのと同じなんだ・・・。・・・オレとリンは。俺の家の庭で2人でボール遊びをしてた。オレはふざけて、そのボールを蹴った。でも、ボールはリンがいる方じゃなく、坂道に転がっていた。本当はそういう時、蹴った本人が取りに行くんだろうけど、その時オレ、目の前にひらひら飛んでる蝶々に夢中になっててさ。リンがボールを取りに走って行ったことに気付かなかったんだ。その時、坂道の方からすごい音がした。その音ではっと目が覚めて、あたりを見渡したんだけど、リンがいないんだ。ボールが転がって行った坂道の先は車道になってて、まさかと思って駆けだした。オレの予想通りだったんだ。さっきの桜木の時みたいな黒い軽自動車に似た車がメチャクチャになっててさ、車のちょっと先にリンが倒れてたんだ。リンは、足が動かないって言うんだ。・・・オレの、せいだ・・・。って思っていたら、その車の中にいた男性が突然、助けてくれえっ!!って叫んだんだ。オレ驚いたけど、助けなきゃって思ってその車の中を覗き込もうと車の右側に駆け寄ったら、突然その車が爆発したんだ。その後、その音を聞きつけた近所の男性が来て、消火作業を始めてくれた。オレはリンを安心させようと、大丈夫 リンを助けるって言ったら、リンが言ったんだ。どうして・・・って。オレはその時、今しかない、そう思って、告ろうといいところまで言ったら、リンが急にオレを突き飛ばしたんだ。次の瞬間、車は2度目の爆発を起こした。・・・オレは、リンを見て、声が出なくなったんだ・・・。」 「えっ・・・ま、まさか・・・!」  絽稀和はこくっとうなずいた。 「…リンは、炎に包まれていたんだ-・・・」  ばっと愛優は両手で口から鼻を覆った。 「その後は、救急車とか消防車が来て、車体の炎は完全には鎮火しなかったけど、車内の男性は救出されてすぐに手当てを受けたから、なんとか一命をとりとめたってニュースでもやってた。・・・それはよかったんだけど・・・あの時・・・リンがオレを突き飛ばしたのは、リンは・・・わかっていたからかな?・・・だから、せめて絽稀和だけでもってオレを突き飛ばして、爆発に巻き込まれないようにってかばっ
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