2人が本棚に入れています
本棚に追加
世界には始め森しかなかった。
そこに住むのは二柱の神。
後の人は二柱を「原初の神」と呼び崇め畏れた。
二柱は愛し合い、やがて子を成した。
産まれた子に力はなく、命も短かった。
子らは自身を人と呼んだ。
死した人は魂を残し、生きた人は子を成した。
森は人と魂で溢れた。
神は魂が増えぬよう人を森から解き放った。
そして、人が森に入ることを禁じた。
人は街を作り、家畜を育てた。
人は次第に神を忘れ、御伽噺の中の存在となっていく。
総ての人が神を忘れても、私だけは忘れない為に
後の人が思い出すように
この書物を残す。
最初のコメントを投稿しよう!