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私は吸血鬼だ。
名前など、とうの昔に捨てた。
何十年、何百年と月日だけが流れていく。
私、独り・・。
今は古びた教会にこもっている。
吸血鬼が教会だなどと笑いたければ笑うがいい。
独りひっそりと月日が流れるのを感じている。
人間が面白がって来る日もあるが、
私の姿を見て逃げていく。
逃げるくらいなら来なければいい。
今日も面白がって人間のガキがやってきた。
「おい、ホントに居るのか?」
「吸血鬼なんて空想上の生き物だろ?」
「マジだって!友達が見たって言ってたんだ!」
「じゃあ、入るぞ?」
ギー
扉を開く音が鳴り響いた。
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