第1章

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私は吸血鬼だ。 名前など、とうの昔に捨てた。 何十年、何百年と月日だけが流れていく。 私、独り・・。 今は古びた教会にこもっている。 吸血鬼が教会だなどと笑いたければ笑うがいい。 独りひっそりと月日が流れるのを感じている。 人間が面白がって来る日もあるが、 私の姿を見て逃げていく。 逃げるくらいなら来なければいい。 今日も面白がって人間のガキがやってきた。 「おい、ホントに居るのか?」 「吸血鬼なんて空想上の生き物だろ?」 「マジだって!友達が見たって言ってたんだ!」 「じゃあ、入るぞ?」 ギー 扉を開く音が鳴り響いた。
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