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僕は、やっとの思いで見つけた君に勇気を持って話しかける。
今度こそ、僕を覚えていてくれていますようにって。内心祈るような気持ちで。
もし今回もダメならもう止めようって思うけど。最後にもう一度だけ挑戦するつもりで、僕は君の名前を呼んだ。
ふり返った君は、いつも通りの冷めきった目をしていて。視界に入っているはずの僕を、無関心そうに眺めていた。
相変わらず君にとっての僕って言う存在は、空気と同じくらいどうでもいい物みたいだった。
それでも僕は心が折れそうになるのをガマンして、何十回になるか分からないあの言葉を口にした。
「ねぇ。
もし良かったら、僕と一緒に旅をしない?」
僕達の旅は、いつだって昨日までの出来事の延長線上から始まるんだ。
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