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僕がレオ君と旅を始めたのはつい最近のこと。
レオ君のその異常な強さに憧れて、僕は出会った直後に旅の同行をお願いした。
けど、レオ君はそれを一蹴して。しかも、たった二、三日前に会ったばかりの僕のことを、ちっとも覚えていなかった。
僕からしたら、レオ君は危ない所を助けてくれた恩人。
だけどレオ君から見た僕は、ただの通行人Aと変わらないものだったみたいだ。
だから、僕がレオ君について行きたいって言った時の対応はすごく冷たかったし。
旅を始めたばかりの頃も、何度か存在を忘れられた。
一応旅の同行は許してくれたみたいだけど、仲良しにはまだ程遠い。
と言うか、ほぼ他人に近いかも知れない。
「ねぇレオ君、次はどこに行くの?」
やっと追い付いて息も整った所で、僕はレオ君に次の目的地について聞いてみる。僕達の旅の主導権は、基本レオ君にあるから。
レオ君の旅に僕が勝手についてく形だから、当然のことなんだけど。
「……」
予想通り、レオ君は僕をチラッと見ただけで、何も答えてはくれなかった。
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