ありえない対面

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それよりも何よりも、あたしはパパの話し方が大好きなのだ。 ……言葉使いが丁寧で、偉そうって感じがしない。 「月優、ただいま」 パパは不思議な顔をしながらニッコリ微笑むと、言葉を続けた。 「まだ、おじいちゃん家に行ってなかったの?」 「うん! いつもより帰りが遅くなっちゃったの! それに雨に濡れたからお風呂に入ってたら、遅くなっちゃったんだ」 と言うあたしの言葉を聞いて、パパが家の玄関へ入ろうとしてたのに振り返る。 そしてそのまま冷たい手をあたしの頬に持ってきた。 ……優しく頬を撫でてくれる。 「風邪は引いてない? ちゃんと温まった?」 「も、も、も、もちろんだよ!」
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