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それから、パパと並んでおじいちゃん家に向かった。
まだ小降りの雨のため、パパが自分の黒の傘を差す。
あたしはちょこんっとパパの隣に立つ。
“相合傘”
……すごく夢だった。
鼻先にパパの甘い香りが匂う。
ちょっと睡魔を襲うような、蜂蜜系のそんな甘い香りに、クラクラしそうになるのを我慢した。
雪乃や優花に言わせたら、父親なんて気持ち悪くてたまらない存在なのかもしれない。
けどあたしは違う。
全くもって反抗期もなく、昔と変わらずパパが大好きなの!
そして……やっぱり理想はパパだよ。
―――…
すぐにおじいちゃんの家に着くと、真っ先にあたしとパパを出迎えたのは朱海だった。
パパはリビングに先に入っていく。
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