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「なぁ月優……お前、アイツの事を知ってんのか?」
「はぁ~? アイツって誰よっ!?」
「だから、アイツだよ! お前と一緒の学校なんだろ?」
と言った朱海の目が真っ直ぐとあたしの瞳を捉えてきた。
コイツ、こんなにかっこ良かったっけ?
……そんな下らない事を思った自分自身に、羞恥する。
「アイツ、聖歌王寺学園(セイカオウジ)だっつってたけど?」
「だから、アイツって誰よっ!?」
アイツ、アイツ、って朱海の言っている意味が分からない。
朱海が指している人物に検討もつかない。
もしかしてあたしって、自分の知らないところで結構モテたりしてるの?
……なんてそんな訳ないよね。
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