ありえない対面

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……まだ多少雨は降っている。 でもさっきみたいに、大降りではない。 此処からおじいちゃんの家は歩いて5分ぐらの距離だから、一生懸命乾かした髪の毛も、また濡れなくてすむとほっとした。 その時、車庫で車が停車する音が聞こえた。 だからすぐに車庫を覗くと、外車から背の高い男の人が降りてくる。 その人はすぐに手にしているキーケースで、車にロックをかけた。 ……ピカピカに磨かれた車は雨に打たれたせいか、雫がいっぱいついている。 「パパ!」 あたしは嬉しさのあまりその人に駆け寄った。 ビシッと高そうなスーツに身を包み、軽く茶色に染めてある髪の毛。 ハーフみたいな日本人離れした顔立ちで、色が白くて肌はスベスベだ。 身長は175センチはあるけど細身のその体……
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