最後の一日

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高く両手を上げたまま、ゆっくりとした歩調で、必中の間合いから遠く離れた場所から私は姿を晒す。 そんな状況では、当然ヤツは私を撃たない。 加えて手に持っていた銃をそのまま落としたのだからなおさらだ。 「もう降参よ、私の負けね。」 「…………。」 ヤツは無言のまま銃を下ろさない。 当たり前だろう。 アイツは私がそんなに物分かりのいい女ではないことくらい知っている。 「そんなに警戒しなくても、気が向いたら撃ち殺すなりなんなりしてかまわないわ。 どうせ私も長くはないし。」 「…………。」 「ただ、ひとつだけ聞かせて欲しいんだけど。」 「……なにをだ。」 久しぶりに聞いたコイツの声。 少ししゃがれているが、そんなに変わっていない。 「あなたがルナストーンを狙う理由、よ。」
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